季節のお手入れ

カトレヤ 9、10月の栽培管理

ようやく涼しい朝晩を迎える季節となってきました。これまで猛暑の中で株を弱らせずに置場の遮光や通風、水やりなどに気を付けてこられたと思います。しかしまだ9月は残暑が厳しく熱帯夜や猛暑日がぶり返しますので、もうしばらく真夏の管理が必要でしょう。しかし一方で9月は秋への準備の大切な時期です。

日照、温度、置場
まだ9月の日照は猛暑がぶり返すと夏日と変わりませんので、今少し真夏の管理を継続しましょう。10月になって日射しが弱まってきたら遮光ネットを50%から30%に張り替えるとか遮光ネットを外すとかの管理が必要になります。日照時間が短くなる季節ですのでよく日に当てて管理する一方で、常に風通しに気を配って棄焼けを防ぎます。

この時期は太陽がだんだん南に傾いてきます。うっかりしていると、これまで十分な日照のあった場所が日陰になってくることがあります。株の置き場所の移動も必要になります。特に冬、春咲き種は株を充実させる一番大切な時期ですので注意が必要です。

日照時間が短くなる季節ですのでよく日に当てて管理する一方で、温室内では撹拝扇を回して内部の空気を動かすように心がけます。

夏の間屋外で管理していた株の温室内への搬入は、高温性のビオラセアやルデマニアナなどから順次行います。中温種は10月中旬をめどに室内に取りこみます。ソフロ等低温種は11月まで大丈夫でしょう。温室内に取り込んだら通風や窓の開閉などに気を付け、蒸らさないようにします。

また、地域にもよりますが、最低気温16℃を目安に、 10月半ばを過ぎればそろそろ暖房を気にする時期です。突然気温が下がっても困らないように、燃料や暖房機の調子を前もって確かめておくことが大切です。

水やり
残暑のときは真夏と同じ潅水ですが、涼しくなってきたらそろそろ水やりにメリハリをつけることです。暑い時期は夕方の潅水が基本でしたが、気温が下がってきたら午前中に行い、鉢内を冷やさないようにします。

冬~春咲きで春から夏にかけて伸長生長し秋にバルブを充実させる種類は、徐々に水やりの間隔をあけ、コンポストが乾いてから2-3日待って潅水するようにします。

一方、秋から冬に生育するパープラータ等はこれから新芽が生長します。この種は新芽の伸びに合わせて徐々に水やり量を多くしていかねばなりません。できれば水やり回数を多くするのが望ましいといえます。気温と風を考慮に入れ、自分の栽培環境での乾き具合を確かめつつ、水の量を減らします。

肥料
冬~春咲き種については、チッソ分のない肥料を9月後半に与え、株の充実をはかり花芽分化を促します。秋から新芽が伸長するものは、チッソ・リン酸・カリが等分の液体肥料を10日~2週間に1回施し、生長の補助とします。

病害虫
秋の長雨には当てません。梅雨時の雨と違って、気温が低くなってからの雨は、株を傷める原因となります。低温多湿が続くと、根腐れや黒点病が発生します。
また屋内への搬入前は消毒を忘れずに、取り込むとき一緒に害虫を持ち込まないように注意します。

その他
パープラータなど、初夏に開花して秋に新芽が伸びるタイプは株分け・植え替えの時期です。しかし、新芽が伸び過ぎてから植え替えると新しい根を傷めるためるため作業は9月中の早い時期に終えるのが望ましいでしょう。

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