季節のお手入れ

秋になって 屋外から屋内への取り込みに当たっての注意点

【1】取り込み時期
(1) 夜の最低温度が15度を下回るようになると、屋内への取り込みを始める時期でしょう。
(2) 但し、全ての蘭がこの時期に屋内に取り込まなくてはならない訳ではありません。蘭には寒さに強い種類も沢山あり、反対に弱い種もあって種によって取り込み時期は多少異なってくるでしょう。

カトレヤ冬咲種
夜の最低温度が18度を下回るようになったら早めに屋内に取り入れて花の蕾を成長させた方が良いでしょう。
デンドロ ノビル系
夜の最低温度が12度を下回る寒さに2週間ほどさらしてから取り入れると花つきが良くなります。寒さに当たって花芽が一層分化するからです。

【2】屋内に取り込んでからの栽培管理の重要なポイント
(1)日差しが弱くなる分、温室や屋内の日光は強めに。但し晴れた日中の葉焼けに注意。
・これまで屋外で遮光をしていた株も、冬の太陽は弱いので取り払います。または遮光率を軽減します。
・ただ、屋内では晴れた日などは一時的にすぐ35度近くに上昇しますので、早やけには十分注意ください。

(2) 温室や屋内の通風、換気が大切。空気のよどみはカイガラムシの発生や葉焼のもと。
・屋外は自然に風が吹いているので通風が保たれていますが、屋内はそう言う訳にはいきません。常に窓を置けたり、扇風機で屋内を撹拌して空気のよどみをなくしてやることが大切です。これは蘭に限らず、全ての植物について言えることです。
・この通風によって、葉焼けや害虫の発生を防ぐことができます。

(3) 水やりは、鉢の表面が乾いたのを確認して2,3日我慢してから午前中にやること。
・基本的に冬の時期は、蘭の多くが活動が鈍っているか、休眠状態になっています。
かかる状態で水を多く与えるとかえって根腐れを起こす危険があります。水は控えめが基本です。また与える場合は天気の良い日の朝に与え、夕方には出来るだけ鉢の中が渇いて夜の低温で根が傷まないようにするのが大事です。

(4) 新芽が伸びている株を除いて、この時期の肥料は控える。無加温状態では与えない。
・新芽の伸びていない株は休眠状態にあるケースが多いので、活動していない株に肥料を与えると根腐れを起こすのは当然です。気をつけましょう。

(5) 冬は乾燥する時期なので加湿が非常に大切。夜間に湿度60%を保てると理想。
・特に夜の加湿が重要です。大事な株は、夜は段ボール箱に入れて濡れた新聞紙で包むとか工夫しておられる栽培家が結構おられます。ご参考下さい。

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