季節のお手入れ
≪栽培一ロメモ その2≫ 光のチョッピング効果
ランの原生地に行くと(そこぱかりとは限りませんが)木漏れ日がちらちらと当たって植物は気持ち良さそうです。と、感じるのは見る人の勝手かも知れませんが、そのちらちらは光のチョッピング効果と言って、植物にとって意外と大切なもののようです。
ランの世界ではあまり話題に上りませんが、蔬菜農業の世界では古くから注目され研究が進められています。作物に当たる光が常に一定で連続的である場合と、結果的に同量になるような光が断続しながら当たる場合では、後者の方が光合成が向上するといわれています。その効果については断続すなわちチョッピングのオンとオフの時間的割合や交代速度が作物の種類により、また生長段階によってさまざまであることもよく調べられています。ランに関して私は不勉強でまだなにも聞いていませんが、どこかにデータがあるのではないでしょうか。
昔は遮光に使われる寒冷紗は全くの無地でしたが、現在は縞状のものや市松模様のものが多く使われています。これはチョッピング効果を狙って作られた物ですから、我々は知らないうちにチョッピング効果の恩恵に浴しているわけです。市松模様の遮光材は張る方向に関係無いかも知れませんが、縞状のものは縞の方向が太陽の動きの方向と直角になるように張らないと十分な効果が得られません。それにしても遮光材の陰の移動はゆっくりですから、どれほどの効果があるかは保証の限りではありません。
私はやはり自然の木漏れ日ちらちらに拘わりがあるので、温室の横に白樺の樹を植えてその影がベンチの上におとすちらちら光を利用しているつもりでいます。ほかの樹では影が濃くなってチョッピング効果が出ませんから、樹種の選定が大切です。昔、風車を水平にまわしてチョッピング効果を試みたことがありますが長続きしませんでしたね。
何やらわけの分からないことを書いてきましたが、照明光のチョッピング効果が植物の生長に良いことは間違いありませんから、たとえ特別のことをしなくても、常に頭のどこかに置いてあれぱ役に立つことがあるかもしれません。