今月の例会報告

2009年4月

■2009年4月5日/鎌倉商工会議所会議室
■出席者数:28名
■出品株数:61株

1.第1回夏の蘭展 湘南サマーオーキッドフェスタ2009開催について

2.春の植替えについて(梅香家)

(1)根鉢についての注意
春の植替えについて[1] 右の写真の様に根が鉢の周りをぎっしり埋め尽くし、鉢の中で根自身が鉢を作ってしまっている状態を根鉢と言います。元気に育っている株ほどこの状態になります。
しかし、根鉢が形成されると新しい根が根鉢に遮られて外へ伸びず窒息して、やがて作落ちしていきます。特にデンドロのように新芽が鉢外へはみ出していかない種でこの傾向が顕著です。このため元気な株は2~3年毎に植替え、鉢増し、株分けを行うことをお勧めします。
右の写真は3年目の株です。既に厚い根鉢が形成され残念ながら鉢増しや株分けも手遅れです。こうなると根鉢の外側を全部切って取り除かざるを得ないので元の元気を取り戻すのに2年はかかります。

(2)カトレヤのコンポスト
毎日水やりの時間がなく、せいぜい1週間に1回か2回しか水やり時間の取 れない方も多いと思います。
この場合4号鉢以下の小さな鉢ではコンポスト がバークでは乾きすぎて不適です。やはり素焼き鉢に水苔が一番無難でしょう。
しかし、素焼き鉢も水苔も高く、第1水苔の植え替えは手間がかかり大 変面倒です。
そこで乾きすぎのバークに保水性のある軽石と炭を混ぜて3号 の小鉢でテストしてみたところ、1週間に1回か2回の水やりで根が驚くほど元気に伸びてくれました。これだとプラ鉢もコンポストも安く、何より植え替えが楽です。配合比率はバーク6:軽石3:炭1ぐらいでしょうか。なお炭は備長炭のような硬炭の方が良いようです。
春の植替えについて[2]春の植替えについて[3]

(3)デンドロのコンポスト
春の植替えについて[4]山本デンドロのコンポストはベラボンで有名ですが、それより相性の良いのが「蘭の土」として売り出されているものです。ベラボンにヤシ殻炭“チャコール”と“木の実のチップ”を配合したものです。天然有機質の理想的培養土と宣伝していますが、試してみると本当に良いコンポストです。デンドロ以外にカトレヤでもOKです。
春の植替えについて[5]

(4)カイガラムシ対策
春の植替えについて[6] 【1】冬の温室内で乾燥と通風が良くない時に特に多く発生します。温室から屋外に 出す今の時期に必ず駆除しておくことが必要です。
【2】カイガラムシは特に新芽の養分を吸収加害し、せっかくの新芽を駄目にします。 蘭を上手に栽培していく上でカイガラムシの駆除は避けて通れない大事な作業 です。大株作りをされる方には致命的な打撃を与えますので注意をしてください。
【3】まだ動いている幼虫の駆除にはアブラムシなどの殺虫剤であるマラソンやスミ チオンで十分効きますが、貝殻を被って動かなくなった状態になると殺虫剤で は効果が落ち、「スプラサイド」や「カルホス」でないと駆除は難しくなります。
【4】ただスプラサイドやカルホスは劇薬指定され、一般の園芸店やホームセンターでは扱っていません。農協専門店に印鑑を持っていかないと手に入りませんが効果は抜群で、しかも1回で駆除できますので管理さえきちんとされるなら無理してでも購入されるとよいでしょう。
【5】カイガラムシは被害を受ける株と受けない株があります。スプラサイドやカルホスの様な劇薬を使用する場合は健全な株まで一緒に薬剤散布するのは良くないように思います。出来れば被害株のみ綿棒等でこすってやれば1回で十分効果があります。
【6】なお、1月に1回程度定期的に毎月薬剤散布できる方なら、マラソンやスミチオンなどの通常の殺虫剤散布でも十分効果があります。何故ならカイガラムシも幼虫のうちは一般の殺虫剤で十分駆除ができるためからです。要は貝殻を被って動かなくなる前に駆除することに心がけることです。これだとわざわざ劇薬を使う必要はありません。毎月1回の散布は面倒ですが、むしろこちらの方がお勧めかもしれませんね。

3.お知らせ

(1) ヒロタ(HIF)春の洋蘭展

今回もインターメデイア以外の蘭も展示歓迎ですので、
お誘い合わせのうえ皆さんの「愛培株」をお持ちより御参加ください。
各種商品も用意されております。

日時  5月2日(土)~ 4日(月) 9:00~17:00
搬入  5月1日(金)まで
場所  ヒロタインターナショナルフラワー
協賛  オーキッドカルチャー ナガラ(岐阜)大場蘭園(千葉)サトックス ジャパン(神奈川)

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