2011年5月の例会報告
2011年5月
■2011年5月7日/鎌倉商工会議所会議室
■出席者数:23名
■出品株数:35株
1. 第3回湘南夏の洋蘭展のお知らせ
来る 6月2日(木)~6日(月)まで平塚市駅前 梅屋ユーユー館6階イベントホールにて開催されます。会員の皆さんの御出品をお願いします。
2. 【随想】 あ る ご 縁
鷹野 美重さん
私には、ここ数年、時間の許す限りラン展に出向き探している花があります。それは6年ほど前、まだ世界らん展に行き始めたころに観たオベロニア(オレンジ)の花そっくりの小型のランです。密集して咲く薄ピンクの花の中心が銀色の光を放つ姿に一目惚れでした。「この世にこんなに小さくて美しいランがあるのか」と、混みあう人ごみの中、その展示の前でしばらく動けなかったことを鮮明に覚えています。なんとかその花をもう一度観たいという願いは残念ながらまだ叶っていません。手もとに写真もラベルのメモも無く、世界らん展事務局でも把握されていませんでしたし、あとで判ったことですがオベロニアに薄ピンクの花が咲く品種は、そもそもないのだそうです。情報がない以上、自分の足と目で探すしかないのです。
ところがその小さな花が、私と鎌倉蘭友会を引き合わせてくれました。その花をオベロニアだと信じていた私がインターネットで検索していたら、なぜかその時に限って、会員の奥田さんが月例会で入賞された時のオベロニアの写真に辿り着いたのです。実はオベロニアはH市の蘭友会の方の出品を岡山のラン展で拝見し、その蘭友会気付でお便りを出しましたが、手違いでもあったのでしょう、お返事はありませんでした。がっかりして諦めかけていたところに救いの手が差し伸べられた訳です。亡くなった母が好きだった鎌倉の地に毎月通うようになったのも不思議ですが、今は月初の鎌倉蘭友会の月例会が楽しみで仕方ありません。何気ない会話の中にさえ、諸先輩方のラン栽培の知恵と工夫と失敗と専門知識が散りばめられていることが、初心者にとってどんなに学びと励みになることか、本当に入会して良かったと感じています。
5月の定例会で江尻光一先生のご訃報を知りました。今年、日本大賞を取られた先生のセロジネは21年目の株だそうです。ランは、一年草や多年草とは違い、10年、20年あるいは30年と成長し続けることが先生のご受賞からもよくわかります。また、枯れたようになっていても新芽があるとき突然出たり、長い間蕾を持たず恨めしかった株に花が咲くことも、蘭の愛好家なら誰でもが経験していることです。他方、ランをあまり育てたことのない方が、つい、その美しさに魅かれて世界らん展で購入した株、あるいはお歳暮で頂いたかもしれない贈答用の鉢植え、それらが「(どこかのお宅でも)元気に育っているかな」、そんなことも時々思います。
一般の方には蘭友会は敷居が高いのかもしれません。専門家の方々の集まりだと思われているのかもしれません。わざわざ月例会等に参加せずとも、インターネットで素早く栽培情報を入手できる環境も整ってきていています。全世界に700属、15,000種以上あるといわれるランですが、今後も交配が進み新しい品種が作り出される一方で、地球環境の悪化で絶滅していくものもあるでしょうし、原種の保護も大事だと感じます。ペットを家族という人は多くても、植物を「家族です」と言ったなら、たぶん、変な顔をされるでしょう。でもペットもランも家族と同じ大事な命だと愛好家は心のどこかで思って育てているはずです。栽培のコツを知り、実践し、試行錯誤しながらも共に暮らすランを日々育てて行くために有益な情報交換ができる場としての鎌倉蘭友会に、来月でも再来月でも良いから、どなたかランの好きな方やお友達をお誘いしてみることも、活動のひとつ、新たな出会いの一つであるように思います。
私も探し続けているランに必ず出会えると信じています。決して諦めなければ夢は叶うのだそうですから。咲いたところを一度も見たことのない我が家の風蘭も「咲く夢を持てば必ず咲く」と言ったら、皆さんに「今度、持っていらっしゃい」と笑われそうな気がしています。開花期ももうすぐです、今年こそは咲いてくれないかしら…。
お知らせ
(1) 第3回湘南夏の洋蘭展
日時 6月2日(木)~6日(月)
場所 平塚市駅前 梅屋ユーユー館6階イベントホール
搬入 6月1日(水)13:00~15:00まで
当日ご都合が付かない方は5月31日(火)ヒロタさんにお持ちください。
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