2011年6月の例会報告
2011年6月
■2011年6月12日/鎌倉商工会議所会議室
■出席者数:24名
■出品株数:34株
1. 点滴栽培について
菊地秀樹さんの入賞花の多くが点滴栽培で素晴らしい効果を上げ、見事な大株に栽
培されているのは皆さんご存知の通りです。ランに於ける点滴栽培自体はそれ程目新しい栽培管理方法ではありませんが、点滴するのにどうしても器具が必要になることから一般の愛好家には余り普及していません。
今回鷹野さんがインターネットと足で情報を収集し、一般愛好家に適した簡易な点滴栽培方法を提案してくれました。以下、例会での説明内容の概要を紹介します。
簡易な点滴栽培の活用について
鷹野美重さん
【簡易点滴栽培の目的】
□ 1万倍程度の薄い液肥を株に点滴することで育成を促す
□ 固形肥料のうち水やりによって効果を発揮するものに対する潅水
□ 水分を好む種類に対する連続的で適度な潅水で育成効果を高める
通常、点滴潅水法は野菜類、キクなどの土壌植物において行われるが、鎌倉蘭友会における点滴栽培とは、菊地さんがなさっておられる人間用の点滴セットの廃材利用及びそれに類する簡易な栽培法を指すこととします。
インターネットでは人間(医療用)、あるいは動物用の点滴セットの購入が個人では難しい印象がありましたが、いろいろ検索したところ、「毛細管現象を利用し、窓の結露を取る方法」が先ず目に留まりました。これを利用し、自宅にあった紐(巾着袋を作成したときに口を閉めるために通した紐)を使い、ペットボトルに水道水を入れて紐の片端を中に入れ、反対側を外側に垂らしてテストしたところ、約1時間で40mlが滴下されました。
さらにインターネット検索したところ、ペットボトルの蓋にリーマやキリで穴をあけ、点滴する方法、あるいは熱帯魚を水に慣らすときにチューブで点滴することにより水質を調整する方法にたどり着きました。これをもとに、材料(綿の紐、チューブ、流れを調整するバルブ、など)を買いに新宿の東急ハンズとユザワヤに出かけたところ、東急ハンズにて、製品化されたものを発見。さらに輸液チューブ(針付き)と液剤をいれて吊るすポット(ガートル)を購入できました。
しかしながら、鎌倉蘭友会には女性の会員さんも多数いられることから、できるだけ簡単に、かつ安価に、かつエコな点滴法で肥料を送ることのできる方法が望ましいと考えました。この観点から最初の「結露を紐でとる方法」を応用した方法を提供します。
(例会での実験結果は順調で、確かに1時間で40ml程度は滴下されました。)
会員の皆さん個々には、複数の鉢に施肥したい、あるいは定期的にタイマーのセットをしたい、長期間にわたる施肥をしたい、液肥ではなくスーパーバイオゴールドを溶いたものを使いたいなどの希望があることと想像されるので、それに関しては後日皆様のご希望に沿ってご意見いただけると最適方法を考えてみます。
(実験する内容で、紐の先に釣り道具のおもりなどを針金で結び鉢に下せば強風でなければ位置の固定も可能かと考えます)
参考価格表
水やり当番(素焼きの刺し込み型潅水器):525円(絶えず水苔等を湿らせる目的)
給水番(ペットボトル蓋+紐型潅水器):1,449円(3個入り)
輸液チューブ:525円(点滴の管と針)
ガートル(500ml):1,080円(ペットボトル部分が製品化されたもの)
リトマス試験紙:94円
生成りロープ(太いもの3mと細いもの10m): 各200円
なお、東急ハンズ(03-3561-3111 唐戸様)では経腸用輸液セットも50本単位(12,600円)とかなら取り寄せてもらえそうです。
薬剤を入れるポットがない状態のものだと600ml用で10本5,404円、1200ml用で10本5,985円です。人間用のため容量が600mlと1200mlに定まっています。もし希望があればKOSでまとめて購入しましょう。
お知らせ
(1) 世界らん展日本大賞2012
開催日程が決まりました。
開会式・内覧会 2012年2月17日(金)
一般公開 2012年2月18日(土)~26日(日)
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